情報分野では有名な情報処理技術者試験。
ITに関する知識は今では必須と言っても過言ではありません。
そんな情報処理技術者試験ですが、ITパスポート試験はどれくらいの難易度なのか?
そもそもITパスポート試験はどんな試験なのか知りたい方も多いのではないでしょうか。
そこでこんな疑問に対して、情報処理技術者の資格を保持する著者がITパスポート試験はどんな資格か紹介していきます。
- ITパスポート試験とはどういう資格か?
- 受講費用や難易度は?
- 資格はどんな場面で活用できるか?
- どのような勉強方法があるか?
目次
ITパスポート試験とはどういう資格?
ITパスポート試験のホームページを参考に、ポイントをいくつか紹介していきます。
試験の概要
ITパスポート試験はITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる資格となります。
情報処理技術者試験の一区分となっていて、「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験です。
試験の内容としては新しい技術(AI、ビッグデータ、IoT など)や新しい手法(アジャイルなど)の概要に関する知識をはじめ、経営全般(経営戦略、マーケティング、財務、法務など)の知識、IT(セキュリティ、ネットワークなど)の知識、プロジェクトマネジメントの知識など幅広い分野の総合的知識を問われる形となります。
ITの試験というとPCの使い方が分かればいいのではと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、そこまでこの試験は甘くありません。
PCの構成はもちろん、PCを使ったシステムの構築、そのシステムを使った会社の運営などIT全般の知識を問われる試験で、その入門がこのITパスポート試験となります。
情報処理技術者試験の中では一番入門にあたる試験ですので、ITに関する知識がない方でも比較的取得しやすい試験です。
受験費用
受験費用は7500円となります。
前は5700円でしたが、令和4年4月から値上げされています。
いくつか資格試験を受けてきましたが、国家資格がこの価格で受けれるものはなかなかないと思います。
試験日
情報処理技術者試験は基本的に4月と10月に試験会場で試験を受ける形になっていますが、ITパスポート試験はCBT(Computer Based Testing)形式となっています。
そのため、コンピュータで受験できる会場が全国各地に用意されており、その場所ごとに試験日が設定されています。
かなり多くの日程が設定されているので、予定を気にせず、自分の都合や勉強の進捗状況にあわせて受験日を選択できます。
合格基準
ITパスポート試験の合格基準は下記のように設定されています。
- 総合評価点 600点以上/1000点満点
- 分野別評価点(ストラテジ系) 300点以上/1000満点
- 分野別評価点(マネジメント系) 300点以上/1000満点
- 分野別評価点(テクノロジ系) 300点以上/1000満点
各分野で300点以上とり、総合換算した結果で600点以上取ることが合格基準となります。
ここでこの試験の難しいところは、問題に応じて配点が異なり、その配点も解答結果から決定されることとなっています。
そのため単純に全問題数の6割以上が正答であれば合格というわけではないので注意しましょう。
ITパスポートはどんなところで活用できるか
業務上でITパスポートを必要とする仕事はあるか?
業務上でITパスポート試験がなければできない仕事というものはありません。
IT関係の仕事であっても原則資格なしでできます。
ITパスポートで学んだことが活用できる場面
業務上ITパスポート試験の資格は不要かもしれませんが、ITパスポート試験で学んだことはこの情報社会で活かすことができます。
私たちの身の回りにはIT技術が多く用いられています。
また、IT技術を用いることがより一層便利な生活を送ることができたり、仕事を効率よく回すことができます。
そのIT技術をうまく使えるかどうかは各個人次第となります。
システムの仕組みがわかれば、業務にうまく活かすことができる一方で、仕組みが分からなければ導入もできないですし、導入してもおそらく使用せずにそのままになってしまうでしょう。
すべてをIT化というわけではありませんが、この先IT化を推進しなければどんどん周りに取り残されていく形となり、ビジネスであれば死活問題です。
そのため社会人として必須のIT技術の入門をこのITパスポート試験で学びましょう。
IT分野で活躍したい人には・・・
IT分野で活躍したい人にとっては、物足りない資格です。
この道でがんばっていこうというなら最低でも基本情報技術者程度の知識はベースでほしい、評価されたいなら応用情報技術者、高度情報技術者あたりの取得が望ましいです。
そのため最初から基本情報技術者にチャレンジしてみる方がおすすめです。
もちろん段階的ステップアップしていきたいのであれば、IT分野の勉強をし始めて半年、1年で受けてみるのも一つだと思います。
勉強方法は大きく二つ
ITパスポート試験の勉強方法は大きく次の2つです。
- テキスト等購入し、独学で勉強する
- 通信講座を利用する
私は基本情報技術者試験からスタートしているので、この試験を受験していませんが、知識がほとんどない方でもしっかりと勉強すれば独学で合格可能です。
「ITパスポート試験」「情報セキュリティマネジメント」「基本情報技術者試験」までであれば、計画的に勉強すれば独学で合格できると考えています。
テキスト等を購入して独学で勉強する
情報系出身の方であれば、自分の知識を整理して試験に臨めばそれほど難しい試験ではありません。
一方で情報処理に関する知識がほとんどないという方はテキストや問題集は必須となります。
試験ではPCの構成やネットワーク技術といったところから、経営やサービスの形態といったところまで幅広く出題されるので、テキストは出題範囲を網羅し、しっかりと解説が載っているものを選びましょう。
また、過去問(特別措置で会場で実施されたもの)での演習も大切になってくるので、問題の解説の有無も選ぶポイントの一つとしておさえておいてください。
通信講座を利用する
ITパスポート試験をはじめ情報処理技術者試験は人気の資格ですので、通信講座は多くの企業が提供しています。
通信講座であれば豊富な教材に加え、わからないことを講師に確認することができます。
講師からのフォローもつくので、計画的に勉強するのが苦手という方にはおすすめです。
とくに、ITに関する知識がほとんどなく一から勉強する方にとっては独学は厳しい部分もあるので、自信がないなという方は一度検討してみてください。
まとめ:ITパスポート試験
ITに関する基礎知識が学べるITパスポート試験について紹介しました。
ひと昔は専門職のイメージが強かったですが、今では誰もがおさえておきたい常識になりつつあるのが情報処理の分野です。
今後も様々な分野でIT化は進んでいきますので、ITパスポート試験を通して基礎知識を学んでみてはいかがでしょうか。
- ITパスポート試験はITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる資格
- ITパスポート試験はCBT形式の試験で受験機会は年間通してかなり多い
- 独学でも十分に合格できる